金曜ごはん #15 「フジツボ香るポトフと手作り肉まん」
決算とかあるので、Huishiがあまりいじれていません。
商談も色々微妙な感じになっているので、モチベーションが上がりません。
ということとは別に、Huishiのデモをして応用分野を提案したいなということで、表題のことを考えました。
背景
実は特に背景もなく、いきなり天から降って来たようなアイディアです。 まぁ何の根拠もなく降って来るわけではありませんけど。
Huishiは音声入出力ができます。 そして、今時のLLMはほぼ自動的に多国語対応しています… と言うか、日本語が使えていること自体が、その多国語対応のうちですね(通常HuishiのLLMはGeminiです)。
HuishiのRAGの方も作りやすくした… という話は前回書いたとおりです。
アシスタントの「キャラクタエディタ」は今書いているところです。 色々な実験で、どんなキャラクタを定義するとどうなるということは、結構わかって来ました。
我ながら、「なんか自分がやりそうな自己紹介だなぁ」とか思う程度には、「キャラクタになり切る」ことができるようになってます。 これは「おごちゃん」というキャラクタの設定と、「知らない人(会話履歴がない人)からあいさつされたら自己紹介スクリプトを実行する」という規則からの生成であって、それ以上は何もしてません。
そういったことを考えていて思いついたのが、
御当地キャラクタに観光案内をさせる
ということです。 「御当地キャラクタ」がフレンドリーに観光案内をしてくれる。 観光リソースを有効活用したい自治体にとっては、ある種の「理想形」ではないでしょうか?
実現
そのためには、
- 「御当地キャラクタ」というアシスタントの定義
- 観光案内に必要な基礎情報(RAG)の用意
- 観光案内で必要そうなエージェントやスクリプトの用意
をすれば良いということになります。
そうすることで、
- 「御当地キャラクタ」が観光案内してくれて
- 「御当地キャラクタ」が質問に答えたり
- 「御当地キャラクタ」が観光スポットへの交通案内したり
- 「御当地キャラクタ」がバーチャルに遊んでくれたり
ということが実現できます。 年に数日やれるかどうかの「着ぐるみショー」でやるようなことが、24時間365日できるのです。
それも
- 多国語対応(日、英、中、韓、越…)
- 音声応答
- もちろん自然言語で
ということは自動的です。
必要なもの
これらの実現にHuishiと実行環境以外で必要なものは、
- 「キャラクタ」の詳細設定(語尾とか適切な声優とか)
- 観光案内に必要な情報
- 「キャラクタ」の利用許諾
ですね。
エージェントやスクリプトに関しては、こちらの既製品 + カスタマイズってことで良いでしょうし、そもそも「システム開発」みたいな難しいことはありませんので、自分で開発してもらってもいいでしょう。 LLMの「なりきり力」は高いので、余計な注文をつけるよりは「これでよしなに」の方がいい感じのことをやってくれたりします。
とは言え、この3つはどれも結構なハードルの高さはあると思います。 でも、「できてしまえば効果絶大」ということは想像できるのではないでしょうか?
そして、実はこの先にはもっと凄い応用が待っているのですが、それはあくまでも「副産物」です。
「ぴろろん」起用の背景
実は当地には「らとちゃん」という御当地キャラクタがいます。
当初はせっかくそういったデモを作るのだから、当地のキャラを使おうと考えました。 らとちゃんかわいいですしね。
ところが使用許諾の申請が面倒臭い。 利用規定を読んで申請してみたのですが、軽く門前払い(と言うかスルー)されました。
そこを付き合いのある隣りの課の人が仲介してくれたのですが、「しゃべらせるな(音声NG)」「3Dはポーズを申請」「アニメ? 何ソレ、オイシイノ?」みたいな話になってしまい、結局使うのを諦めました。 「らとちゃん」はかなり古くからいるキャラクタらしいので時代的にしょうがないのですが、こういった応用はどうやら想定されてなかったようです。
しかし、よく考えてみれば弊社には「ぴろろん」というキャラクタがおりました。
こいつには元々「海ぴろろん」「山ぴろろん」という2種のキャラクタいますし、海も山も豊かな当地にはむしろこいつの方が向いてるんじゃないかとさえ思いました。 「仲間」もいっぱいいますし。
「らとちゃん」が産まれた頃に私は当地と全く関わりがなかったので背景がよくわかってないのですが、あれは「石見銀山」のシンボルキャラクタであって「大田市」かと言われるとちょっと違うような気がします。
地方行政が単一の観光資源に頼りがちなのは、松江市が「小泉八雲」に頼りがちという姿をずっと見て来て(最近はそこにmatzが加わったっぽいですけど)、大田市が石見銀山に頼るのは半分仕方無いなと思ったりもするのですが(世界遺産ですし)、個人的には当地の魅力はそういった「歴史上のこと(つまり過去のこと)」よりも、「海も山もそこにある」という環境じゃないかなと思います。
海岸から車で20分くらいで1000m級の山の麓です。 ちょっと入るだけで山道になってしまって、農業や都市形成には向いてない立地ですが、気候的な環境や景色は素晴しいです。
ここから、
ここまでが20〜30分です。
実際、このクソ暑い時期でありながら35度越える日は今年はまだないんじゃないかな? というくらい当地は涼しいのですが、それは海に山が迫っているという地形のせいです。 日中は海から、夕方以降は山から、風が吹きます。 どちらも木々の間や水面の上を通る風ですから、都心を吹く熱風とは随分と違います。 実はここ1週間ほど風邪ひいてるんですが、それは窓開けて寝てたせいもあります。
ついでに言えば、冬もそんなに積雪はありません。 同じ島根県でも松江とかよく積もりますけどね。
まぁそんなわけで、御当地キャラクタがいながら「ぴろろん」の起用となりました。 「ぴろろん」ではあまりに頼りないのですが、きっと「ゆいちゃん」がキュレートしてくれるのでしょう。 実は「ゆいちゃん」は元々地方移住と仕事の話を書くキャラクタとしてデザインされていて、設定が細かいのです。
もちろん要請さえあれば、御当地キャラクタで作れますし、後から別のキャラクタにすることも大作業ではありません。 一番の大作業は「基礎情報」の収集と準備ですから。
まとめ
そんなわけで、しばらくは時間を見つけて「ぴろろんの観光案内」を作って行こうかと思ってます。 と同時に、Huishiのそういった使い方を模索して、案件を探して行こうと思います。
他にもHuishiの硬い方向の応用としては、
- 博物館(収蔵館)のキュレータボット、「語り部」
- 家庭教師、チューター、TA…
- カウンセラー、相談員…
というようなことが考えられますので、それぞれデモやPoCできるだけの体制を作ってみようかなと考えています。
この「提案書シリーズ」はありそうな応用が浮かぶ度に書いて行こうと思っています。 多分需要そのものは世間にはいっぱいあって、でも「本当に必要だったもの」がうまくまとめられない、まとめても金かかりそうみたいなものがあるんじゃないかなと思っています。
Huishiを使えば、「コンテンツ」に集中することができる上に、クラウドサービスとして提供することも可能ですから、気軽にPoCとかも可能ですし、そうすれば色々な見当がつけやすいんじゃないかなと思います。
案件お待ちしております。
PS.
忘れてましたが、ここで書いたということは「公知」です。 アイディアを独占的に使用したいなとゆー気持ちがないわけではないですが、つまらない特許を取られて自分で使えなくなるよりは「公知」の方がずっと良いので、「公知」ということにしておきます。
PS2.
Geminiと一緒に作った提案書の元があったので、置いておきます。
タイトル案
- 地域活性化のための次世代観光案内AI
- 地域の魅力を再発見!「おもてなしAIキャラクター」導入のご提案
- あなたの町の「語り部」を育てませんか?~AIキャラクターを活用した観光客誘致~
1. はじめに:なぜ、今「AIキャラクター」なのか?
- 観光客誘致の課題:情報過多、既存の観光情報ツール(パンフレット、Webサイト)との差別化、インバウンド対応の難しさ。
- 解決策:
- 従来の画一的な情報提供ではなく、まるで地元住民と話すような「人間味」のある案内を実現。
- AIが正確な情報(RAG)を元に、キャラクターがパーソナライズされた体験を提供。
2. 提案内容:AIキャラクターによる観光案内サービス
- サービス名: (地域の名前)AI観光大使 / (御当地キャラの名前)AIガイド
- 主要機能:
- リアルタイム案内機能: ユーザーの位置情報に合わせて、キャラクターが最適な観光スポットやグルメ情報を提案。
- 歴史・文化の「語り部」機能: 単なる史実だけでなく、その土地にまつわる物語や逸話も、キャラクターが魅力的に語ります。
- 多言語対応: RAGデータが多言語に対応していれば、インバウンド観光客にも対応可能。(例:日本語、英語、中国語など)
- FAQ対応: 「一番美味しいラーメン屋はどこ?」「〇〇までの行き方は?」など、観光客の様々な質問に即座に回答。
3. 本サービスの特徴(他社との違い)
- キャラクターへの没入感: ユーザーが「キャラクターに入れ込む」ほどの高いインタラクティブ性と親しみやすさを実現。
- 正確な情報提供(RAG): 観光協会様が保有する信頼性の高いデータを活用。不正確な情報や誤った案内を防ぎます。
- カスタマイズ性:
- 既存の御当地キャラクターの性格や口調、一人称などを再現。
- 特定のイベント(例:お祭り)や季節(例:紅葉シーズン)に合わせた、特別なキャラクター設定も可能。
4. 導入によるメリット
顧客(観光客)にとって
- 新しい観光体験: ガイドブックや地図アプリでは味わえない、パーソナルな体験と感動を提供。
- 旅のストレス軽減: 知りたい情報にすぐにアクセスでき、快適な観光をサポート。
貴団体(自治体・観光協会)にとって
- 観光客誘致・周遊促進: 魅力的なキャラクターがきっかけとなり、新たな観光客を呼び込み、滞在時間の延長を促します。
- ブランド力向上: 先進的なテクノロジーの活用をアピールし、「新しい観光」をリードする地域としてのブランドを確立。
- 業務効率化: 観光案内所への問い合わせ対応を一部AIが肩代わりし、職員の負担を軽減。
5. 導入までの流れ
- ヒアリングと要件定義: 貴団体のご要望、ターゲット、活用したいキャラクターなどを詳細にお伺いします。
- データ収集・RAG学習: 貴団体からご提供いただいた観光情報をAIに学習させ、キャラクターを設定します。
- プロトタイプ開発・デモ: ご要望に基づいたプロトタイプを開発し、デモンストレーションを実施。
- 本開発・ローンチ: 最終調整を行い、アプリ/Webサービスとして一般公開します。
- 運用・保守・データ更新: 継続的にデータを更新し、サービスの品質を維持します。
6. お見積もり(ご相談)
- 初期費用:キャラクターデザイン、RAGデータ学習、システム開発費用など。
- 月額/年額利用料:システムの運用・保守、データ更新、技術サポート費用など。
- 貴団体の予算やご要望に合わせて、柔軟なプランをご提案させていただきます。お気軽にご相談ください。