ぴろろんの観光案内
決算とかあるので、Huishiがあまりいじれていません。
商談も色々微妙な感じになっているので、モチベーションが上がりません。
ということとは別に、Huishiのデモをして応用分野を提案したいなということで、表題のことを考えました。
背景
実は特に背景もなく、いきなり天から降って来たようなアイディアです。 まぁ何の根拠もなく降って来るわけではありませんけど。
Huishiは音声入出力ができます。 そして、今時のLLMはほぼ自動的に多国語対応しています… と言うか、日本語が使えていること自体が、その多国語対応のうちですね(通常HuishiのLLMはGeminiです)。
HuishiのRAGの方も作りやすくした… という話は前回書いたとおりです。
アシスタントの「キャラクタエディタ」は今書いているところです。 色々な実験で、どんなキャラクタを定義するとどうなるということは、結構わかって来ました。
我ながら、「なんか自分がやりそうな自己紹介だなぁ」とか思う程度には、「キャラクタになり切る」ことができるようになってます。 これは「おごちゃん」というキャラクタの設定と、「知らない人(会話履歴がない人)からあいさつされたら自己紹介スクリプトを実行する」という規則からの生成であって、それ以上は何もしてません。
そういったことを考えていて思いついたのが、
御当地キャラクタに観光案内をさせる
ということです。 「御当地キャラクタ」がフレンドリーに観光案内をしてくれる。 観光リソースを有効活用したい自治体にとっては、ある種の「理想形」ではないでしょうか?
実現
そのためには、
- 「御当地キャラクタ」というアシスタントの定義
- 観光案内に必要な基礎情報(RAG)の用意
- 観光案内で必要そうなエージェントやスクリプトの用意
をすれば良いということになります。
そうすることで、
- 「御当地キャラクタ」が観光案内
- 「御当地キャラクタ」質問に答えたり
- 交通案内したり
- バーチャルに遊んでくれたり
ということが実現できます。 年に数日やれるかどうかの「着ぐるみショー」でやるようなことが、24時間365日できるのです。
それも
- 多国語対応(日、英、中、韓、越…)
- 音声応答
- もちろん自然言語で
ということは自動的です。
必要なもの
これらの実現にHuishiと実行環境以外で必要なものは、
- 「キャラクタ」の詳細設定(語尾とか適切な声優とか)
- 観光案内に必要な情報
- 「キャラクタ」の利用許諾
ですね。
エージェントやスクリプトに関しては、こちらの既製品 + カスタマイズってことで良いでしょうし、そもそも「システム開発」みたいな難しいことはありません。 LLMの「なりきり力」は高いので、余計な注文をつけるよりは「これでよしなに」の方がいい感じのことをやってくれたりします。
とは言え、この3つはどれも結構なハードルの高さはあると思います。 でも、「できてしまえば効果絶大」ということは想像できるのではないでしょうか?
そして、実はこの先にはもっと凄い応用が待っているのですが、それはあくまでも「副産物」です。
「ぴろろん」起用の背景
実は当地には「らとちゃん」という御当地キャラクタがいます。
当初はせっかくそういったデモを作るのだから、当地のキャラを使おうと考えました。 らとちゃんかわいいですしね。
ところが使用許諾の申請が面倒臭い。 利用規定を読んで申請してみたのですが、軽く門前払い(と言うかスルー)されました。
そこを付き合いのある隣りの課の人が仲介してくれたのですが、「しゃべらせるな(音声NG)」「3Dはポーズを申請」「アニメ? 何ソレ、オイシイノ?」みたいな話になってしまい、結局使うのを諦めました。 時代的にしょうがないのですが、こういった応用はどうやら想定されてなかったようです。
で、よく考えてみれば弊社には「ぴろろん」というキャラクタがおりました。
こいつには元々「海ぴろろん」「山ぴろろん」という2種のキャラクタいますし、海も山も豊かな当地にはむしろこいつの方が向いてるんじゃないかとさえ思いました。 「仲間」もいっぱいいますし。
「らとちゃん」が産まれた頃に私は当地と全く関わりがなかったので背景がよくわかってないのですが、あれは「石見銀山」のシンボルキャラクタであって「大田市」かと言われるとちょっと違うような気がします。
地方行政が単一の観光資源に頼りがちなのは、松江市が「小泉八雲」に頼りがちという姿をずっと見て来て(最近はそこにmatzが加わったっぽいですけど)、大田市が石見銀山に頼るのは半分仕方無いなと思ったりもするのですが(世界遺産ですし)、個人的には当地の魅力はそういった「歴史上のこと(つまり過去のこと)」よりも、「海も山もそこにある」という環境じゃないかなと思います。
実際、このクソ暑い時期でありながら35度越える日は今年はまだないんじゃないかな? というくらい当地は涼しいのですが、それは海に山が迫っているという地形のせいですから。 ついでに言えば、冬もそんなに積雪はありません。 気流とかよく見ていると、どうやら冬の季節風が一番キツい向きの時は、当地のちょうど風上には白頭山があって、そこを気流が避けるようです。 避けた気流は出雲や浜田方向に抜けます。 なので、あの辺特に出雲はここよりかなり積雪があります。
まぁそんなわけで、御当地キャラクタがいながら「ぴろろん」の起用となりました。 「ぴろろん」ではあまりに頼りないのですが、きっと「ゆいちゃん」がキュレートしてくれるのでしょう。 実は「ゆいちゃん」は元々地方移住と仕事の話を書くキャラクタとしてデザインされていて、設定が細かいのです。
もちろん要請さえあれば、御当地キャラクタで作れますし、後から別のキャラクタにすることも大作業ではありません。
まとめ
そんなわけで、しばらくは時間を見つけて「ぴろろんの観光案内」を作って行こうかと思ってます。 と同時に、Huishiのそういった使い方を模索して、案件を探して行こうと思います。
他にもHuishiの硬い方向の応用としては、
- 博物館(収蔵館)のキュレータボット、「語り部」
- 家庭教師、チューター、TA…
- カウンセラー、相談員…
というようなことが考えられますので、それぞれデモやPoCできるだけの体制を作ってみようかなと考えています。
案件お待ちしております。
PS.
忘れてましたが、ここで書いたということは「公知」です。 アイディアを独占的に使用したいなとゆー気持ちがないわけではないですが、つまらない特許を取られて自分で使えなくなるよりは「公知」の方がずっと良いので、「公知」ということにしておきます。