Hieronymus Ver 2.0.6 release
mayumi
昨日のエントリで予告したアプリケーションのレビューと説明の第一弾です。
Skypeのサービス終了からしばらく経ちました。Skypeは会社設立前から長く便利に使っていましたが、その終了をきっかけに「Mattermost」というオープンソースのコミュニケーションツールを使い始めました。
使い始めてからおよそ5か月経ち、今では弊社の主要ツールとして活躍しています。
今回はそんなお世話になっている「Mattermost」をご紹介していきたいと思います。
Skypeは随分長いこと使っていました。 前弊社の電話もSkypeの電話でしたし、そのずっと前から色々便利に使って来ました。
業務では音声で使うことは実はそれほどありませんでしたが(電話着信くらいです)、社内の会話は常にSkypeでした。 仕事の会話も、世間話も、いつもSkypeです。 海外の取引先との打ち合わせも、だいたいSkypeでした。
前弊社を閉じた時に電話番号を返し、現弊社を開いた時にあらためて番号を取ろうと思ったら、もう電話番号はもらえませんでした。 先に電話からのcall inはなくなってしまったのですね。 それでもテキストでは便利だったので使い続けていました。
主には1対1のチャットとグループチャット。 要するにSkypeは主にチャットツールだったわけです。
ですから、Skypeのサービスがなくなった時も、「便利に使えるチャット」が必要ということで色々探してみました。
コの業界ではそういったものはSlackを使うものだとされていますが、当面数人以上にならない会社でSlack使うのも何か違うし、どうも「社内のもの」にクラウドサービスを使うことは抵抗がありました(理屈ではありません)。 しまぱんの関係でMisskeyをセルフホストしていて、これはこれで便利なものだと思うのですが、ちょっと大袈裟な気がするのでどうしたものかと思ってました。
そういった様々な思いと調査の結果、Mattermostを選択することにしました。
公式サイト | GitHub | ドキュメント
Mattermostは「セルフホスト型」のコラボレーションプラットフォームです。
クラウドサービスに頼らず自分たちで運用できる安心感があり、チャットや音声通話、画面共有に加え、ワークフローやAI統合など幅広い機能を備えています。オープンソースとしては珍しく、多機能で柔軟な選択肢です。
クラウド上のサービスもあり、月々$10から利用できます(2025年9月1日時点)。
MattermostPricing
手元にあったサーバーがOrangePi5Plusだけだったので、OrangePi5Plusにインストールします。
公式なArm版のDockerイメージはないので、非公式ではありますが、Arm環境でも動くDockerイメージを利用しました。
GitHub - remiheens/mattermost-docker-arm
その他のインストール方法は公式ドキュメントをご参照ください。
ブラウザからも利用できますが、それぞれの環境ごとにクライアントアプリが用意されています。iOSやAndroidのアプリもあり、外出先でも使えて便利です。
Download Mattermost Mobile and Desktop Apps Here | Mattermost
音声通話や画面共有、AI連携は魅力的な機能ですが、今のところ必要性がないため利用していません。今回は、実際に運用してみて「特に便利だと感じた機能」に絞ってご紹介します。
一番よく使うのがチャットで、markdownが利用できるのが便利です。
手元で書いたドキュメントの一部を共有したり、ChatGPTなどの会話を張り付けたとき等、見やすくて良いです。
こんな感じで表示されます。
メッセージに対してリマインドの設定ができます。予定に関するメッセージをリマインドするケースで便利そうですね。
少し前にリリースしたHieronymusでは、バグトラッカーとしてMattermostのBoardを利用しました。
一般的に使われるRedmineなどは機能が豊富すぎて、小規模な管理にはやや重たい印象があります。 その点、Boardのシンプルさは今回の用途にちょうど良かったです。
この機能はプラグインとして提供されているため、GitHubからZipファイルをダウンロードし、システムコンソールに追加する必要があります。
カンバンビューです。バグを見つけたら一つカードを作成し、着手したら「進行中」、修正対応されれば「確認」という感じで状態をシンプルに管理できました。
カードの内容の一例、カード内はmarkdownが書けて画像や動画も添付できます。
カードのテンプレートが作成できます。バグ報告用テンプレートを作ってフォーマットを統一しました。
カードの内容がテーブルで表示され、一覧するのに適しています。
カードにある日付でカレンダー上に表示します。締切日を設定しておくと、いつまでに対応が必要かが一目瞭然です。
追加したカードはギャラリー表示も可能です。バグトラッカーとしては使いませんでしたが、添付した画像がサムネイルになるのでざっとどんな問題が発生しているか把握するのに便利そうです。
今回はチャットとBoardだけのご紹介でしたが、この2つだけでも十分に便利に使えています。
Mattermostは多機能でありながら直感的に操作できるのが魅力です。
小さなチームでもすぐ導入でき、日々の業務をスムーズにしてくれるツールだと感じています。
今後はさらに他の機能も試しながら、自社に合った活用方法を探っていきたいと思います。