現在の商品ラインアップ
おごちゃん
ブログだと情報がごちゃごちゃしてしまいますし、本体のホームページの方で追従するのも追いつけてない感じなので、現在の弊社の商品ラインアップについて整理してまとめて書いておこうと思います。
ここに挙げるものは現在すぐに販売可能な「商品」です。 開発中で公開に至らないもの、社内利用を目的としたものは挙げていません。 また、ウェブサイトやウェブサービスもここでは扱いません。 全体については、プロジェクトページや事業案内のページをご覧ください。
概要
弊社では多くのソフトウェアをオープンソースで公開しています。 このうち、現在弊社で販売目的で開発しているソフトウェアは以下のものがあります。
- Hieronymus(中小零細企業向けERPシステム)
- CassetteOS(「オフィスコンピュータ」を実現するOS)
- Huishi(キャラクタとRAGを持った汎用AIアシスタントフレームワーク)
いずれも、オープンソースとして公開、あるいは公開準備中です。
また、これらを応用したソリューションとして
- Orcinus(中小零細企業向けバックオフィスサーバ)
- ぴろろんの観光案内(御当地キャラクタを使ったAI観光案内システム)
があります。
オープンソースで公開しているものとその応用ですから誰でも自由に使うことができますが、弊社は
- 原作者としての意思決定
- 「一番詳しい開発者」としての技術提供
- 「一番詳しい開発者」としての追加開発
ができるポジションにあります(オリジネータとはそういうものです)。 つまり、改良やカスタマイズに関しては、弊社にご用命いただくのが一番確実だということになりますし、これこそが弊社自らオープンソースとして公開する意義でもあります。
オープンソースで公開しているものですから、オープンソースとしてのライセンスの範囲であれば、仁義を切ることなしに商用で使われても構いません。 ただ、何らかのお問い合わせや契約があれば、オープンソースであること以上の対応が可能です。 つまり「原作者としての意思決定」が可能です。
調べていただくとわかりますし後で詳しく説明しますが、いずれの製品も他にはない高い独自性を持っています。
Hieronymus
弊社が自社で使うことを目的に開発した会計システムを元に、見積書/請求書等を発行する機能を付加し、さらにそれらを顧客管理としてまとめることにより、バックオフィスシステムをまとめることを目的に開発しています。
将来的には人事給与とか経費精算といった機能も付加される予定です(要望と弊社内での需要に依ります)。
元々、弊社の事務環境を反映して開発したものなので、
- 複式簿記
- 振替伝票
- 手動仕訳
を基本に置いた会計システムです。
また、税務や決算に関しては、会計事務所に依頼するという前提となっております。 この「税務や決算に関しては会計事務所に依頼」というスタイルは、法的な問題(税理士法等)もあって世の中の中小零細企業向けの会計システムでは標準です。
クラウド型の会計サービスは世の中にいくつも存在します。 その中で敢えてオンプレミス前提で会計システムを開発した理由は、
- クラウド型会計システムのほとんどは表向き振替伝票を扱わない
- データの流用がそれほど簡単ではない
- サービス内容に不安がつきまとう(いきなり値上げとか)
ということがあって、弊社(当時)のそれまでの会計スタイルとの乖離や不安が大きかったためです。
機能はシンプルですが、必要な機能は網羅されています。 出力される帳票も
- 仕訳日記帳
- 元帳(総勘定、補助、銀行)
- 残高試算表
- 決算報告書
という基本的なところが出力できるようになっていますので、中小零細企業での経理システムとしては十分だろうと思います。 これ以外の会計帳票はいわゆる分析表ですから、要望に合わせて開発すれば済みますし、何なら勝手に開発してもらっても構いません。 今日明日の売上に必死になっている中小零細企業にとっては、「分析表」の類は単なる遊戯の意味しかありませんから。
私は「証憑の説明としての伝票」を書く習慣があるので、当初は振替伝票も印刷しようとか思っていたのですが、現実のワークフローを考えると手書きの振替伝票を書く方がタイミング的にも合うので、伝票を出力する機能は現在はありません。
さらに詳しいことは、ブログの
の各エントリや旧弊社のブログの
をご覧ください。
CassetteOS
後で述べるOrcinusを構成するために開発しているOSです。
IA版とARM64版があります。
どちらも機能は同じです。
CassetteOSは元々は「オフィスで手軽に使えるサーバとは」ということを考えて開発したものです。 ですから、
- 手軽
- 安全
- わかりやすい
ことを主眼に開発しています。
感覚的にも実際にも、サーバをNASのように使うためのもの、つまりNAS OSの一種とも言えます。 また、実際にNAS同様にファイル共有機能を持っていますので、NAS OSとして使うこともできます。
アプリケーションはアプリストアからワンクリックでインストールできるほかに、手動でインストールすることもできます。 アプリケーションはDockerのイメージですから、Dockerイメージが公開されているものであれば、手動インストールは可能です。 また、元となったCasaOSとのアプリケーションの互換性は維持してありますので、CasaOS用のアプリストアを指定して使うことも可能です。
さらに詳しいことは、ブログの
をご覧ください。
慧仕(Huìshì)
慧仕おじさん
慧仕(Huishi)は「キャラクタとRAGを持った汎用AIアシスタントフレームワーク」です。 元々は、
- 少人数への教育(家庭教師とか小学級とか)
- 博物館等の説明員
- カウンセラー、相談員
として機能するアシスタントを構築するために開発しました。
「慧仕」という名前は、ChatGPTと相談して「偉い人に仕える知恵を出してくれるアシスタント的な先生」というイメージで作った造語です。 「知恵で仕える」ということですね。 現実の用途として考えているところは、こういったところです。
そして、上の「慧仕おじさん」はそのイメージなのですが、これは「Jenkinsおじさんを古い中国の仙人画みたいな感じで。手は中華風の挨拶」とnano-bananaに生成させたものです。 なんかちょっとイメージと違いますけど、そのうち何とかするでしょう。
中身はRAGと長期記憶を持ったエージェントです。 「プログラム」に当たるスクリプトはYAMLで、プロンプト(エージェントの定義)はMarkdownで書けますので、ほぼノーコードと言っても良いでしょう。 と言うか、基本的には「プログラム」というよりは「指示」の集合だと言った方が近いと思います。 宣言的ですし。 中間データもfront-matter付きMarkdownなので、可読性は高くなっています。
「キャラクタ」に関する情報はMarkdownで記述します。 記述は細かい言い方や考え方についての指示と言うよりは、「人物像」「キャラクタ設定」という感じです。 これも宣言的であると言えます。
キャラクタの感情もエミュレートしていますので、より人間らしい返答をしてくれます。 これは元々「教師への信頼」が何に起因するかということを検討して、そのためには「人格」的なものが必要ということでつけた能力です。 「生徒のことをよく心にかけてくれている先生」という「理想の教師」像を実現するためには「好ましい人格」が必要であって、その「人格」とはどのように形成されるか? という検討から感情を持たせるようにしました。
もっともこの「感情」はあくまでもエミュレーションです。感情があるかのようにふるまいますが、本当に感情が必要なこと、たとえば「創作」といったものに役に立つかどうかは未知数です。 あくまでも「感情があるかのような反応をする」ことのみが検証されているだけです。
コーディングとか作曲のエージェントと言ったことを狙ったものではありませんが、スクリプトやプロンプトは任意に追加変更可能ですし、その範囲であれば高い汎用性もあり優秀です。 たとえば「与えたネタでブログを書く」というようなタスクだと、「キャラクタ」に合わせていい感じのものを書いてくれます。
表に見える機能はそれほど多くはありません(これから充実させて行きます)が、他のシステムに組み込んで使うことを前提として開発しています。 デモとしてウェブアプリが同梱されていますが、エンジン部分を取り出す(明確にレイヤがあります)こと、たとえばバッチ処理するとか、そういったことでも使えるようになっています。 このような応用は、いわゆる「チャットボット」が多いようなのですが、もちろんチャットボットに使えますし、それ以上の汎用を目指しています。
絶賛開発中なので、これから機能が増えて行くでしょう。 いずれウェブサービスとしても公開するかも知れません。
さらに詳しいことは、ブログの
の各エントリを見てください。
Orcinus
OrcinusはHieronymusをCassetteOSに載せたものを、Cassette Serverにパッケージしたシステムとそれを運用するためのサービスやネットワークと思想を含んだ概念です。 簡単に言えば、「この箱を導入すれば、バックオフィスに必要なものがまるっと入っている」というものです。 これは原則的にはサポートも含めたパッケージです。 元々は「新規開業」をする会社がバックオフィスをどうするかという問題があって、そこに一気に応えることができるパッケージということで考えたものです。
Orcinusのコンポーネントは全てオープンソースで無料とは言え、それを動かすサーバにはお金がかかりますし、何を選んで良いかよくわからないということは容易に起きます。 正直、弊社でも何を選べば良いかは、随分と悩んでいるところです。
個々のソフトウェアをインストールし設定するのは大変でしょうし、仮にそこができて稼動できる状態になっても、ノーサポートで基幹業務を動かしたいかと言われれば、一般のお客さんは「ノー」と言うしかないでしょう。 この辺の事情はORCAでも言われていたことです。 企業を維持するのに必要な基幹システムとはそういったものだと言えます。
もちろん今はクラウドサービスでこういったものが揃っていたりするのですが、これも「どれを選ぶか」という問題から離れられませんし、そこを「えいや」とやってもサポートを受ける士業(税理士とか)と違っていても厄介です。
ぱっと見、クラウドサービスを使うと安くつきます。 それはクラウドサービスのメリットです。 しかし、色々なものをクラウドで揃えて行くと、案外サブスクの費用がかかったりもします。 ちまちまとサブスクして行くと、案外な費用になったりします。 また、社員が勝手なものを使い始めると、データ交換で破綻したりします。 そもそも、似たようなものが多くて、どれが良いのかよくわかりません。
そういうことにあまり悩みたくない、それでいてちゃんと全部揃っていて欲しいという潜在的な需要に応えるためのものがOrcihusです。
さらに詳しいことは、ブログの
の各エントリを見てください。 価格も代理店も設定されています。
ぴろろんの観光案内
慧仕(Huìshì)の応用の一つです。
デモという意味も含めて、わかりやすい応用を作っています。
開発中のものですが、この開発で必要になった機能は自動的にHuishiの機能として追加されます。
これに限らず、こういった形態のAIエージェント、Huishiの応用としてできることについては、受託や共同開発をお請けしたいと思っています(無理そうならその旨お伝えします)。 成果物(の一部)を他に流用することを認めていただけるという条件の下で、世間一般の「AIエージェント開発」よりも廉価でお請けします。
受託開発
弊社は一般の受託開発を主眼に置いた営業をしておりません。 特に、マンパワーが要求されることや常駐が必要なもの、頻繁に面会が必要になることは、原則お断わりしています(対応ができません)。
弊社としては、マンパワーよりも頭脳でリモート主体(たまのミーティングは構いません)の案件、過程よりも成果物が主体である案件、コンサルティングが主体の案件を歓迎します。
また、弊社プロダクトを基盤とした応用、あるいはそれを展開してゆくような相談は大いに歓迎します。 Orcinusは実にそういったお話が来たから始めたものです。 私が思いついたことではありませんし、元の依頼主が私のORCAという実績を持っているということを知っていたからでもありません。
弊社が多くの成果物をオープンにしている理由の最大のものは、
これを基盤とした開発案件
を期待しているということです。
そして、その次の理由は「技術力の誇示」です。
弊社はここで挙げたものだけでも、
- 業務システムを独自に開発
- 汎用OSを独自に開発
- AIエージェント基盤を独自に開発
- オープンソース基幹ソリューションの展開
ができるということがわかると思います。 いずれも、同様なものは国内にはあまり発見できないと思いますし、海外を見てもあまりないでしょう。 これを「揃えられる」ということで技術のレンジの広さがわかると思います。
それでいて立地とか営業力の関係で、案件を多数持っているわけではありませんので、都会の相場から見れば冗談みたいな単価で引き受けられる状態にあります(最低人月単価60万〜)。 もちろん忙しくなれば通常単価となります(変動相場制です)。 当然のこととして、早く決まった契約の単価を後で勝手に上げるようなことはありません。 契約時の仕事量で決定します。
「共栄」が期待できる案件をお待ちしております。
まとめ
現在の「商品」のラインアップをまとめてみました。
今回、ハードウェア絡みの話がないのは、そういった体制がまだ作れていない(機器が整理できてない)ということと、その関係で最近あまり実績らしいものがないからです。 こちらも事例があれば追い追いラインアップに加えて行く予定です。
「そんなにやれるの? 盛ってるだけでしょ?」と思われる方は、弊社のGithubとか関連エントリからリンクしている先、あるいは私の実績等を見たらどこまで本当かわかると思います。