ブラウザでの画面表示と印刷の描画差異に関する実践的考察
会社が設立すると、3ヶ月以内に給与を出す必要があります。
出来たばかりの会社で売上もない状態で給与を出すのは厳しいですが、そーゆー決まりになっているのでしょうがありません。
まぁ、これには秘技「未払給与」という科目がありまして、とりあえず出したことにはするんだけど現金は使わないという手があります。これは「労働債務」として積み重なってしまうので無闇に使うのは良くないですが、今いる「社員(会社法上です)」は従業員ではないですから、出さないよりはずっと良いことです。後でちゃんと払えばいいだけですから。
ということで、現金として支給するかどうか(できるかどうか)と関係なく、給料を決定する必要があります。
背景
総支給額が決まっていても、これをそのまま給料とは出せません。そこからいろんなものを控除しないと、実際の給与額になってくれません。
多くの控除されるものは、累進的になっています。つまり、給料が高いほど控除が増える仕組みとなっていて、比率が一定ではありません。
さらに、この比率はほぼ毎年のように変更されるので、いろいろ厄介です。3月(健康保険料と介護保険料率)、4月(いわゆる児童手当)、6月(住民税)、9月(厚生年金)は鬼門です。そんなわけで、これらの時には結構厄介なことになるのですが、しばしば勘違いしてたり読み間違いしてたりで間違えてしまいます。額は月額せいぜい数100円ではあるのですが、ちゃんとしておかないと後々厄介です。
ということで、ある程度の自動化をして、総支給額を入れると手取り額や控除額を計算してくれるExcelシートを作って個人ブログの方に公開していたのですが、改訂したものをこちらに掲載することにしました。
私はあまりExcelが得意ではないので、このようなことはプログラムを書いた方が速いですし、そのうちHieronymusに組み込むつもりなのですが、今はそこまで時間が取れないでいるので、とりあえずということで前に作ったExcelを改訂して使うことにしました。
準備
ダウンロード
Execlシートを以下に置いたので、ダウンロードして下さい。
私の個人ブログから落とした人はこのさいなので新しくしておいて下さい。まぁそんなに大きく違ってもいませんけど、ちょっとだけ使い良くなっています。
社会保険料
とりあえず、社会保険に関しては地元の島根県のものが入れてありますが、それぞれの都道府県に合わせたものを入れて下さい。
まず協会けんぽのサイトから保険料額表を落とします。
ここで当年度のExcelシートを落として、地元の都道府県のページを開いて、そのページをまるっと「社会保険料」のページに貼れば社会保険はOKです。
現在の保険料額表は謎のレイアウトがされていたり貼りつける時に警告が出たりしてびっくりしますが、表そのものは互換性があるので心配は無用です。
源泉所得税
源泉所得税については、以下にテーブルがあります。
ここから「月額」のExcelシートを落として来て、まるっと「源泉徴収(月額)」のページに貼ります。今は令和6年度のシートが貼ってあるので、令和6年度については今のこのまま使えます。
雇用保険料
雇用保険料率については、
でググって、当年度のPDFを見つけたら、そこの料率を見て「雇用保険料率」のページに書き込みます(まとまったページはないようです)。これは貼りつける適当なものがないので手作業するしかありません。また、役員は雇用保険の対象ではないので、「0」の行が作ってあります。
住民税
住民税については税額の通知書がお手元に届いているはずなので、それを元に随時入れて下さい。住民税は前年度の収入で確定した金額が個々人で決まっているものなので、いわゆる税額表はありません。前年度に所得税が発生してない場合、今年度の住民税は0のはずなので、0で構いません。
使い方
「基礎データ」のページを開きます。
ここで背景色が無色(白)のところが入力可能な場所です。入力可能でない場所には保護がかかっています。
つまり入力可能なのは、
- 生年月日
- 扶養家族数
- 支給額
- 社会保険標準月額(決定)
- 雇用保険種別
- 住民税
です。
生年月日は保険料(介護保険料)の算出に使われるので、必ず入れて下さい。
扶養家族数は単身者は0です。これは源泉徴収額の計算に使われます。
社会保険標準月額はとりあえず支給額から計算したものを「社会保険標準月額」として表示してありますが、ここは実際の支給額から計算されるものなので、あらためて「決定通知書」に書かれたものを入れるようにしてあります。残業や基本給以外の手当がない場合や見積りに使う場合は、この数字をそのまま「決定」のところに入れれば良いでしょう。
雇用保険種別は、ドロップダウンにしました。ここは給与支給対象者の属性から入れます。ほとんどの場合は「一般事業」だと思いますが、特殊なお仕事(農林水産従事者とか建設従事者とか)はそれを選びます。役員には雇用保険はありませんので、「役員」を選択すると0になります。
住民税は前述のように、通知書が来ているはずなのでその数字を入れます。
必要項目を入れて「給与明細例」のページを開くと、仮の給与明細が作られています。
おわりに
このシートはマクロの類は使っていませんし、保護はかけていますがパスワードはかけてないので、改造したい人は好きにされて構いません。
ライセンスはCC0です。