気候のこと

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おごちゃん

先日、いつもの用事で東京に行きました。

9月に行ったばかりですから、特に久しぶりという感じもなく感慨らしいものもなく、ただ単に「行った」というだけの感覚です。 前回は暑い時期でしたが今回は逆に寒い。 たった3ヶ月ですが、そこは大きな違いですね。

自分の居所にいると気がつかないものですが、ちょっとよそに行くと、自分の住んでいる場所の環境が客観的に見えたりします。 その時に思ったのは、「よくもこんなに過酷な環境で四半世紀平気で過ごして来たな」ってことです。

1998年頃には、既に東京で生活をしていました。

まだ出張の長いのという感じではありましたが、「帰って来た」と感じるのは当時住んでいた原宿のマンションであって、松江の家ではありませんでした。 この辺色々個人的な思いとかあるのですが、それはまた個人的な機会に話せる人には昔話してもいいかなというくらいで、特にここに書くようなことではありません。

まぁそういったこととは関係なく、だいたい25年くらい東京で生活していたわけです。 当初5年は原宿や渋谷、そのあと20年くらいは秋葉周辺です。 雑に言えば都心部であることに変わりはありませんが、街の雰囲気も気候も随分と違います。

秋葉あたりと言うか「江戸の下町」的なところで生活している人はあまり感じないと思いますが、渋谷あたりは東京でも結構雪が積もります。 渋谷で生活してた時に周囲が雪で埋もれていたので、「雪がいっぱいなんで今日は事務所に行きませんよ」とかチャットで言ったら(当時の勤務先は前弊社の近所です)、会社の人から「こっちに雪なんてありませんよ」とか言われたのを覚えてます。 「??」と思って頑張って銀座線に乗って末広町で下りたら、道がカラカラで驚きました。 「銀座線の駅を抜けると…」みたいな話が作れそうなくらい天気や様子が違います。 同じ東京の都心部でもそれくらい気候が違うのです。 その後、秋葉付近で生活するようになって、「渋谷や新宿より奥に行くと結構雪が積もるんだな。逆にこの辺では全くだな」とか気がつきました。 下町から見ると新宿は豪雪地帯です。

まぁそんな感じで、東京に25年、秋葉付近に20年くらい生活していました。

今年になって(書いているのは年末)こちらに帰ったわけですが、その後に2度上京しています。 その辺りで気がついたことを書いてみます。

夏の田舎(大田)は涼しい

近年、夏が暑くなったと言います。

東京では熱帯夜が何日も続いて、雑なことを言えば「雨が降らない限り夏の間は熱帯夜」です。 雨が降れば、特に夕立的なゲリラ豪雨的な雨が降れば、夜はそこまで暑くはなりませんが、晴れていたり降ったにしても軽い雨だと熱帯夜が当たり前です。

こっちに来て最初に驚いたのが、「夜は涼しい」ということです。

当地で生活している人達(親兄弟)にしてみれば、やっぱり「近年の夏は暑く」らしいしそう言っているのですが、私にしてみると本当に夜は涼しく感じます。 暑いなと思って外出(散歩とか)すると、涼むことができます。 つまり「夕涼み」ということが可能です。 東京では下手に夕涼みに出掛けると、よけいに暑くなったりして、まったく「涼み」じゃないんですけどね。

日中も確かに暑いのですが、東京とはまるで違います。 気温のピークは大差ないと思うのですが、特に「暫定オフィス」では日中でも窓を開けると結構涼しくて、エアコンなしでも午前中くらいは何とかなりました。 田舎で風を遮るものがないですし高台にあるビルなので、海風山風がとてもよく通ります。

ちょっとだけ東京を弁護しておくと、渋谷(円山町、つまり道玄坂の上)のマンション(6階)で在宅勤務していた頃、真夏は窓を開けるだけで日中は大丈夫でした。 渋谷の山の方は結構風が通るので、晴れた日は風だけで何とかなる程度ではありました。 夜は風が止まるのかエアコン必須になってましたけど。

田舎には秋がある

近頃、季節が「デジタル化」しているという話があります。

どういうことかと言えば、夏は暑い日が続く、冬は寒い日が続く、秋や春はどっちでもない日が続くのではなくて、暑い日と寒い日の比率(デューティー比)が変わるのが季節の変化だと。 要するにPWM制御ですね。 移動平均を取れば温度は連続変化に見えますが、個々の日だと暑いか寒いかのどっちかだと。 確かにそんな感じがあります。

こちらも結構それに近い感じがないわけではありませんが、それでも東京と比較すれば随分と「間くらいの温度」の日があります。 つまり、「季節の変化」を感じることができます。

東京の冬は寒い

これは東京に住んでいる頃から感じていたのですが、東京の冬は「刺す」ような感じの寒さです。 「冷たさ」と言っても良いかも知れません。 西日本から東京に出た人達はわかると思うのですが、とにかく東京に冬は突き刺すような感じがします。 なんか北海道の人達も似たような感想を持つらしいのですが、それについては誰か他の人が言及するでしょうしよくわからないので、ここでは言及しません。

とにかく冬の東京は厳しく感じます。 私はこの寒さに「透明感」みたいなものを感じていました。 日中は晴れていて明るいのにとても寒い。 そこに透明感を感じてたんじゃないかと思います。 お正月の天気の良さ、空の高さ、そういったことに感じたりします。

他方、当地の冬はそんなに寒くないです。

もちろん何か降れば寒いですし、冬の山陰は天気が悪くなりがちです。 晴れていても何かが降って来たりもします。 ですからそういった日は寒いと思いますが、晴れて明るい日や曇り(当地は曇りの日が多い)はそこまで寒さを感じません。

それは人間だけじゃなくて、他の生物もそうなのでしょう。 12月になってトマトが赤くなったりします。 建物の南側はそんな感じなんです。

いつでも暖かいわけじゃないですし何か降っていれば寒いのですが、そもそも寒い日にそんなに外出しませんから、あまり寒さを感じることもありません。

東京の冬は乾燥しがち

これは先日上京した時に感じたことです。 いや、以前から感じてはいたと思うのですが、勝手に「冬ってそんなもの」とか思っていたんだと思います。 でも、「上京」によってこちらと東京を直接に比較することとなって、あらためて実感したことです。

東京のオフィスはとにかく空気が乾燥します。 そして、それによって人間も乾燥します。

先日東京に行った時、バスタオルを部屋にひっかけておいたら、すぐに乾きました。 浴室乾燥機のある部屋なので、当初は洗濯したら浴室乾燥機を使っていました。 それもヒーターを入れて使ってました。 バスタオルを洗濯した後に干すと、だいたい2時間くらい必要でした。 それを居室に1時間くらいぶら下げておいたら、カラカラになりました。 もちろん色々条件の違いがあるにせよ、室内干しの洗濯物が1時間やそこらで乾くのは驚きでした。

あまり意識してなかったのですが、身体が乾燥していたらしく軽い脱水になって、東京滞在中ずっと頭痛がしていました。 最初は乾燥のことに頭が回ってなかったのですが、ある時「これは脱水」と気がついて水をガブガブ飲むことにしました。 かなり症状が改善されました。 毎日2Lくらい飲んでいたと思います。

東京滞在中、手がボロボロになりました。 爪の角のところの皮膚が割れて痛い思いをしていました。 これも東京で生活していた頃は「冬とはそんなもの」と勝手に思っていたのですが、こっちに戻ったらいつの間にか治ってしまいました。 割れていた皮膚は治り、ガサガサしていた指先はかなりマシになりました。

こちらで「異常乾燥」とか言われる時、室内の湿度は40%を切るくらいです。 今この時点で注意報が出ているようですが、現在の室内の湿度は38%らしいです。 この湿度計が東京のオフィスにあった時、あまりの低湿度なのでエラーが出ていました。 多分20%を切っていたのだと思います。

思い出してみれば、娘が東京に出て来た頃に「東京は乾いて肌がボロボロになる」とか言っていました。 当時は「女の子は気にするものなんだな」とか思っていたのですが、こういった比較の機会があって「東京乾燥しすぎ」と実感しました。

逆にこちらでは冬の湿度は高過ぎなことが多いです。 洗濯物がなかなか乾燥しません。 部屋干しとかすると、部屋がジメジメしがちです。 暖房入れると結露しがちです。 エアコンで暖房してもそうなります。 これはこれで厄介なんですが、身体にダメージはないので「そんなもの」と諦めることにしています。

まとめ

当地の気候と比較すると、総じて東京は「過酷」な環境です。 逆に言えば、こちらは随分と温和です。

冬はそれほど厳しくなく、夏もそれほど厳しくなく、四季もわりとちゃんとしています。

良くも悪くも、「田舎」は田舎としてだけ語られがちですが、こういった彼我の違いも小さくないなと感じました。

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